2011年7月25日月曜日

「学都」仙台と東北大学

Posted by 東北大学文学研究科 加藤諭


現在放送大学宮城学習センター
(元理学部生物学教室)1924 年( 大正 13 )


















【「学都」仙台に日本で三番目の帝国大学設立】
仙台は、明治以来、公立の学校のほか、多くの私立学校が設立され、高等教育機関としては第二高等学校、東北帝国大学(現東北大学)が設置されるなど、東北有数の教育研究拠点として「学都」仙台と通称されています。「学都」の呼称は明治期半ばより使われていたようですが、東京帝国大学、京都帝国大学に次ぐ日本で三番目の帝国大学として、東北帝国大学の設立が確定されたのは、1907 年( 明治 40 )に勅令によってでした。東北帝国大学として、仙台には理科大学が置かれることとなり(東北帝国大学は当初札幌農学校を前身とした農科大学も含まれていました)、4 年後の 1911 年、数学・物理・化学の三学科でもって入学式が挙行されました(地質学科が後に開講)。



東北大学史料館
(附属図書館) 1924 年( 大正 13 )
現在東北大学の本部棟
(元理学部化学教室)
1927 年(昭和 2 )、1935 年(昭和 10 )














片平キャンパスの近代建築】
東北帝国大学は理科大学開講以降、片平の敷地内に次々と建物を建築していきますが、これは当時仙台では珍しい鉄筋コンクリート造の建物が多く、こうした近代建築は今回の東日本大震災で被害を受けましたが、震災に耐え現存しています。1924 年( 大正 13 )に建設された理学部生物学教室は、現在放送大学宮城学習センターとなっており、同じく 1924 年に建設された附属図書館は現在東北大学史料館として活用されています。また 1927 年(昭和 2 )、1935 年と 2 期に渡って建設された理学部化学教室は、現在東北大学の本部棟として今に至っています。このほか、魯迅が学んだ階段教室や考古学収蔵庫など、仙台に残存する近代建築の約半分は片平キャンパスにあるほどです。

【緑豊かな東北大学】
現在、東北大学はこの片平キャンパスのほかに、青葉山や川内、星稜、雨宮といったキャンパスや付属施設がありますが、東北大学は植物園を有しているように、いずれのキャンパスも緑豊かで落ち着いて研究活動が出来る環境にあります。元来仙台は「杜の都」として都市環境と自然環境の調和が図られてきました。仙台の環境そのものも教育・研究拠点としての「学都」を育んできたとも言えます。


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